ここでは、マイナンバー制度について、想定される質問についての回答の一例を、以下に記載します。
マイナンバー導入スケジュールはどうなっていますか。
以下のとおりです。
知カード送付開始 平成27年10月~
導入開始 平成28年1月1日~
この日から、社会保障や税金の手続・管理にはマイナンバーが用いられます。
個人番号カードの交付開始 平成28年1月~
マイ・ポータルの運用開始 平成29年1月~
※マイ・ポータルについては後述
民間利用の開始(検討中) 平成30年7月
番号が漏えいした場合、どうなりますか。
ハッカーに対する対策はどのようになっていますか。
これに対する対策が、先に述べた「分散管理」です。一か所にまとめて情報を集積するとそこが狙われ、大量に情報を盗まれる可能性があります。「一か所で一括管理してはいけない」と法律でも規定されます。
そこで情報をいろいろな場所で管理し、仮にハッカーに侵入されても被害を限定的にします。
【分散管理のイメージ】
出典:内閣官房社会保障改革担当室「マイナンバー社会福祉・税番号制度概要資料
自分で、自分の番号が誰に、どのように使われたか分かりますか。
はい、分かります。「情報提供等記録開示システム」(マイ・ポータル、マイナポータル)という、ポータルサイトのようなものがあり、これにアクセスすれば、自分の番号がいつ、どのようにやり取りされたのか確認できるようです。その他このマイ・ポータルにより、行政からお知らせやメッセージの受信、行政手続ができます。マイ・ポータルが使えるのは、今のところ平成29年1月からの予定とのことです。
正式名称・通称がどうなるかは現時点では分かりません。
【マイ・ポータルのイメージ】
出典:内閣官房社会保障改革担当室「マイナンバー社会福祉・税番号制度概要資料」
マイナンバーがないと就職できない、家が借りられない、など影響はありますか。
一概には言えないですが、次のようなことが想定できます。
日本に住民票がある人には、日本人、外国人などの国籍に関わらず、すべての人にマイナンバーが付与されます。
例えば合法的な在留資格に基づき日本に在住している外国人には、マイナンバーが付与されますが、旅行者には付与されませんし、非合法な不法就労者にはマイナンバーは付与されません。
そのため、マイナンバーの提出を求められ、もしなければ、なぜないのか
就職する会社に問われることになる可能性があります。
一方、家を借りる際は、問われることはなさそうです。(マイナンバーの民間利用禁止)
他にもDV、その他犯罪被害の予防などの正当理由により、住所を開示したくなくい、できない人は、住民票登録ができず、結果としてマイナンバーの指定を受けられない可能性があります。
そのような個別の特別な事情ある人を、マイナンバーがないという理由だけで、不利益取り扱いすることは、逆に不当・違法となる可能性があります。
日本で働く外国人はどうなりますか。
日本に居住:住民票登録がある人には、国籍問わずマイナンバーが付与されます。
つまり、日本で働く資格がある人には、すべてマイナンバーが付与されます。
そのため、外国籍の人がいて、その人にマイナンバーがない場合には、旅行者か不法滞在者の可能性があります。
法人にもマイナンバーは付与されますか。
個人番号と法人番号の違いはなんですか。
サラリーマンですが、マイナンバー制の導入により、副業が会社にバレますか。
いろいろ調査しましたが、マイナンバーの税務分野での、利用・運用自体が完全に決まったわけではないので、確実な答えというのがない、というのが現状です。
ただし基本的に今までと同じで、副業が会社にバレる・バレないは、マイナンバー制度の有無ではなく、副業で得た収入分は、確定申告による普通徴収で支払っているかいないかです。
確定申告を行わないと会社へ、追徴課税の通知がくる可能性があるので、マイナンバー制の導入は関係ありません。が、なにかの副作用はあるかもしれません。
マイナンバーの提供を求められた際、拒否できますか。
将来的にはどのような分野までマイナンバーの利用が拡大されますか。
現在検討されているのが
医療分野:病院、カルテ
戸籍
パスポート
自動車登録
銀行の預金口座
電気・ガス・水道
電話
犯罪歴
などです。
なお、平成27年9月に成立した改正マイナンバー法では、3年後に銀行の預金口座にマイナンバーを登録(任意)することが決められています。
次回はマイナンバー制の導入により、企業が準備、やるべきことを解説します。