ある日突然、「債権回収会社(サービサー)に債権を譲渡したので今後の返済はそちらにしてください。」という内容の債権譲渡通知書が送られてきた場合、どう対応するのがよいでしょうか。よくある質問をQ&A方式で解説します。
Q.債権譲渡通知が到達した後、新債権者:サービサーからの連絡を無視するとどうなりますか。
A.担保付債権か、無担保債権かで分れます。
担保付債権の場合、競売にかけられます。
無担保債権の場合には、債権が移るまで、月々返済していたか否かで変わります。
今まで月々返済していた場合は、今まで通り定期弁済するように何度も連絡があります。
無視し続けると訴えられる可能性があります。債権が移る以前、まったく弁済していなかった場合は、債権額が少なくかつ数年間一切入金していない場合には、何もない可能性が高いです。
Q.サービサーはいくらで債権を買い取っているのですか。
A.これも担保付債権か、無担保債権かで分れます。
担保付債権の場合、債権額はあまり関係なく、担保不動産の時価の7~9掛けです。
担保不動産が収益不動産で家賃収入がある場合には、1~2年分の家賃収入額の7~9掛けが上乗せされている場合があります。例えば、時価1億円の不動産で月額100万円の家賃収入がある場合には
9400万円前後でしょうか。
無担保債権の場合も債権額というより、「譲渡された時期」と「譲渡される直前まで弁済していたか、弁済していたならば、月額いくら弁済していたか」で変わってきます。
譲渡の時期が最近
例えば譲渡される直前まで、遅れ遅れであるが何とか月額5万円前後を入金していたとします。
この場合サービサーは60~180万円くらいで債権を買い取ったと思われます。
計算式は月額弁済額:5万円×12~36倍です。
譲渡時期が今から5年以上前
れは予測するのが難しいですが、譲渡時の元本残高の1%以下の場合が多いですが、上記の月額弁済をしていたならば、月額弁済額×12くらいでの買い取りでしょう。サービサーからサービサーにさらに再譲渡された場合にも、今までの月額弁済額の12~36倍で再譲渡されています。もちろん買値以上の弁済をしなければ、サービサーは債務免除をしてくれません。
Q.どのように対応すればよいでしょうか。
A.債権により違いますが、担保が付いている場合は無視すると競売にかけられますので必ず無視せず話し合いましょう。
担保物件を処分したくない場合には、サービサーの満足する額を月々定期弁済するので競売は待ってもらえないか話をしましょう。これは債権者が任意売却(任売)に応じない場合にも書きましたが、「債権者(サービサー)の納得する返済計画をきちっと立てること」に尽きます。
無担保の場合には、最近譲渡され、かつ定期弁済をしていた場合には、サラリーマンで給料など定期収入があるならば、訴えられる可能性がありますので、今まで通りの定期弁済を継続できるよう話し合いましょう。
つまり
1 担保付債権
2 「譲渡時期が最近」でかつ「定期弁済していた」場合
この2つの場合には、債務者において支払える額でかつサービサーが納得する額・方法で返済していくことをサービサーと話し合うことです。