リスク
リスクの算出方法にはさまざまな考え方や算出方法があります。
ここではその中でも最もよく使われている伝統的な方法を使い算出します。
考え方としては、どのくらいの幅で収益率が上下するのかを計ります。
先ほど計算した平均的に期待できるリターンに対し、プラスマイナスちょっとブレるだけなのか、それとも下がるときは大幅に下がるが、上がるときは跳ね上がるのかを計るということです。これを表現する数値として「標準偏差」というものがあります。確率・統計学的に理解することは難しいので「平均的に期待できるリターンからどのくらいブレるのかを表す数値」として理解して下さい。例えば国内メガバンクへの定期預金100万円、年利率0.1%のリスクは限りなく0%となります。元本100万円に対し、リターンは上下にブレることなく0.1%を期待できます。
それでは今回のA社株式で、具体的な計算をしてみましょう。これは先ほどの表です。
分かりにくいので実際の数値で
A社株のリスクは21.1%と算出できます。(エクセルでやればこの計算式を一発で自動計算してくれます。「STDEVPA」という計算式です。)
株式銘柄A リターン 8.4%
リスク 21.1%
しかしこの21.1%という数字はどのような意味をもつのでしょうか。
この意味を確率・統計学的に理解することは難しいので結論だけ述べると、「68%の確率で、リターン8.4%に対しプラスマイナス21.1%の幅でブレる」ということです。もっと分かりやすくいうと、「A社株を買うと普通にいけば8.4%儲かるが、運がよければ(68%の確率で)最大8.4%+21.1%=29.5%儲かり、運が悪ければ(68%の確率で)最大8.4%‐21.1%=‐12.7%損する」という意味となります。
68%の確率?68%はどこから出てきたの?と思いますが、先ほども述べたようにそれを理解しようとすると正規分布こんな感じになるので結論のみ言及しました。これがリスクとリターンの数値化の方法です。
※本件でのA株式はあくまで事例として簡易単純化したモデルのため、実際にはリターンについて年利換算する必要があります。