ローンパーティシペーション(ロンパ)とは

 債権売買の一つの手法でよく、債権についての参加契約と定義されますが、これだけでは説明不十分です。
 内容を説明すると、ある債権についての権利義務関係を移転(真正債権譲渡)せずに、原債権者(譲渡人)が、債権の元本、利息、損害金等を受領する経済的利益(リターン)と債務不履行、貸倒れ等のリスクを、投資家(参加人、譲受人)に売却し、投資家が原債権者にその対価を支払う契約形態のこと。
分かりにくいので具体例で説明します。

【例】

・A銀行がBに対し100万円を貸付けている。
・Bが約束を破り返済をしない。
・A銀行は債権を売却してさっさと手離れしたいが、A銀行が思うに、Bは「うるさいヤツ」と思われる。(第三者に債権を売ったりすると)
・そこでA銀行は、投資家Xにロンパで債権を譲渡する。(譲渡代金は仮に50万円とする)
・投資家XはA銀行に債権譲渡代金50万円を支払う。
・これにより表面上の債権者は依然A銀行のままであるが、裏では投資家Xが債権者となる。
・Bはそれらを知らない。

【投資家Xのリターン】

・Bが元本75万円を内入れ弁済してきた。かたち上、75万円をA銀行が受取る。
・A銀行は75万円をスルーして投資家Xに渡す。
・投資家Xは75万円-50万円=25万円の利益

【投資家Xのリスク】

・Bが1円も返済しないまま破産した。
・投資家Xは50万円まるまる損した。

上記のとおり通常の債権譲渡と異なるため
・債権譲渡禁止特約があっても債権譲渡可能
・譲渡リスクがない
・譲渡コストがない
・債務者は債権譲渡されたことが分からない
・第三者は後ろの投資家が誰か分からない
・原債権者において売却損を経費計上でき、節税メリットがある。

※一定の要件を満たす場合、原債権者は投資家に債権を売却したものとして会計処理でき、この会計処理は法人税の課税上も是認されています。

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