税務署の差押と根抵当権の確定

 

 

差押通知書を紛失した場合の根抵当権元本確定登記にも述べましたが、根抵当権者が、第三者による抵当不動産に対する競売手続きの開始または滞納処分による差押えがあったことを知ったときから2週間経過すると、根抵当権の元本は確定します。(民法398の20①三)

つまり、金融機関が根抵当権を設定している不動産に、税務署の差押えが入ったら、税務署からの差押通知書を受け取った日から2週間経過すると、根抵当権の元本確定は確定します。

この場合、根抵当権元本確定登記は、債務者(担保提供者)のハンコなしの単独申請で、根抵当権者が登記申請できます。(不登法93)

 

 これをもとに、よくある派生論点を整理したいと思います。

 

1 税務署の差押が取り下げられた場合

 この場合、根抵当権は確定しなかったものとみなされます。

 ただし、差押が取下げられる前に、確定したことを前提として、債権譲渡(による根抵当権移転)など新たな権利関係を発生させた場合には、確定の効力は失効せず、債権譲渡(による根抵当権移転)は有効となります。

 

上記1の論点と区別するべきは、第三者ではなく自分の根抵当権で競売申立てをし、差押を入れた場合です。自分で競売申立した場合、当然根抵当権は確定します。

 それでは、これを取下げた場合そうなるでしょうか。

結論は、差押え後に取下げても確定したままとなります。(取消でも同様です。)

まったく反対の効果となるので注意が必要です。

 

2 仮差押の場合は確定するか

金融機関が根抵当権を設定している不動産に、他債権者など第三者の仮差押えが入っても、根抵当権は確定しません。

理由は、法律にそのような規定はないためです。

 

 

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