不動産の評価方法②

 

 不動産の評価方法①からの続きで、回帰分析を使って不動産、今回は宅地を例に評価してみましょう。ダイコンの場合、ダイコンの価格を決める要因は「重さ」と「鮮度」を採用しました。宅地の場合は価格形成の要因となるものは何でしょうか。まず最初にそれを決めなければなりません。例えば駅からの距離、前面道路、字型、間口、建築条件の有無、高低差の有無などでしょう。これらすべてを…として式を作成してもよいですが、ここではちょっと省略して宅地価格決めるのは、駅からの距離、前面道路、間口と仮定し、周辺の過去の取引事例から価格算出の式を完成させましょう。例えば次のようなA土地からE土地の取引事例があります。

 

 

今回、F土地の売却依頼を受けました。

 

 

Fの坪単価はいくらで売れるでしょうか。ダイコンの例と同様、エクセルを使って回帰分析をしてみましょう。エクセルを使った回帰分析はこちら

すると次のような結果が表示されます。

 

 

よって宅地の坪単価を求める式は

 

 

となります。式の意味としては、この近隣の宅地は基本、坪94.17万円で、駅から1分離れるごとに1坪につき-3.38万円減価され、前面道路の幅員が1ⅿ広くなるごとに1坪につき3.79万円加算され、間口が1m広がるごとに1坪につき0.52万円加算されるという意味です。実際にF土地の数値を代入してみると

 

    

 

となり、答えは89.71です。つまりF土地は坪単価:89.71万円で35坪なので総額:3140万円と求められます。

 

 

説明力もあり、直感的に妥当ではないでしょうか。しかし回帰分析による不動産の評価方法にはいくつか問題もあります。

 

1 上記の例では宅地を評価するにあたり、土地の価格が、駅徒歩と前面道路と間口だけで決めており他の要素を考慮していない。宅地の価格を決める要素はこれだけではなく、もっと複雑である。

 

2 過去のデータのみからの分析であり、将来的な情報が織り込まれています。例えば近い将来近くに新駅ができるから値上がりが期待できる、など。

 

これ以外にも問題点はあります。しかし不動産鑑定士の鑑定評価にも前回の評価、依頼者の希望など縛りやバイアスがあります。ここで紹介した過去の取引結果・事実のみを客観的に分析する方法も利用しつつ、より有機的、立体的、多面的に不動産評価をすることが重要で意味があり活きている、と筆者は考えます。有機的、立体的、多面的に不動産を評価する方法はまた次回に述べたいと思います。

 

※ここでは、重回帰分析のモデルの有意性についての指標であるR2(決定係数)や、モデルの有意性のF検定(分散分析)等々については触れていません。それは学問的な正確さよりも「直感的な分かりやすさ」、そして興味を持ってもらうこと、それにより検討の一種となり議論の対象となることを目的としているためです。

 

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