根抵当権の元本確定請求

 

債権を譲渡し、その債権の担保権が根抵当権の場合、根抵当権の元本が確定していなければ、債権譲渡による根抵当権移転をすることができません。一般的には、事前に債権売却予定の債権者から債務者(担保提供者)に対し「根抵当権元本確定請求」をして元本を確定させておきます。この通知書を配達証明付内容証明郵便で送付し、債務者に到達すると、債務者のハンコなしの債権者の単独申請で元本確定登記することができます。

元本の確定請求通知書の一般的な書式はこちらです。この通知書が債務者に到達した日に確定の効果が発生します。配達証明書ハガキの裏に書いてある配達日です。

普通に届けばいいのですが、債務者が逃げてしまっており、登記簿上の住所に通知書が届かない場合はどうすればよいでしょうか。正攻法では「意思表示の公示送達」を申立てます。この手続は、意思表示を相手方に到達させたいが、住所が分からない(相手方が法人の場合には、法人及び代表者の所在が分からない)ために、意思表示を到達させることができない場合に、その意思表示を到達させるための手続です。注意点としては、所在は判明していて、相手方が郵便物の受領を拒絶している場合にはできません。本件では以下のような手順となるでしょう。

 

1 登記簿上の住所に送付

2 会社謄本に載っている代表者個人の住所に送付

3 代表者の住民票を調査

4 登記簿上の住所及び代表者個人の住所に赴き現地調査

5 上記1~4の結果書類を添付し、簡易裁判所に申立書を提出

 

書類等の不備がなければ、裁判所の掲示板に公示送達の掲示がされ、併せて市区町村役所掲示板にも掲示されます。市区町村役所の掲示から2週間経過したときに公示送達の効力が生じます。(東京簡裁管内の場合)

この方法をとると、最初の通知書が戻ってきた日から次の通知書、現地調査、書類準備などを考慮すると最低1か月はかかることになります。通常、プレクロ日、クロージング日は決まっており、それに向かって関係各者が動いています。直前になって、通知書が戻ってきて確定できずに債権譲渡できない、ということにならないよう早めに手続きをすることをお勧めしています。

 

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